精密加工技術コラム
2026年07月28日
プロファイル研削加工とは?選ぶべき条件と精度を出すポイントを解説
プロファイル研削加工とは?
プロファイル研削とは、製品図に部品を20倍に拡大投影し、そのシルエットに沿って研削していく加工です。部品と製品図を重ね合わせて、型に沿って手動や機械を用いて素材の外形を砥石でなぞるように加工することで、ミクロンレベルで非常に細かく研削することが可能です。
本記事では、プロファイル研削加工のメリットや他の加工方法との使い分け、精度を出すためのポイントについてご紹介いたします。
プロファイル研削加工のメリット
①少ない取り代に対応可能
投影機で拡大された加工物を確認しながら加工できるため、取り代の少ないワークの研磨でもミスなく確実に作業することができます。摩耗した砥石のR形状に合わせて加工ができる点も特徴です。
②ミクロン単位の加工精度
寸法精度や面粗さをはじめとした、ほとんどの幾何公差にほぼゼロ狙いの精度で加工することができます。一般的な切削加工による直角精度は±0.01mmですが、当社ではプロファイル研削加工により±0.002mmを実現することが可能です。
③複雑形状の加工に対応可能
微細かつ直線、曲線(R)、テーパー、溝などが不規則なつながりをしている形状でも精密に加工することができます。
プロファイル研削加工を依頼すべき条件
高精度かつ小ロットの加工
プロファイル研削加工は、試作品・開発品・単品部品など、少量でミクロン単位の精度が求められる加工に適しています。当社では、形状公差±0.002mm以内の超精密加工品を1個から製作可能です。
円筒研削では難しい複雑形状
丸物部品でも、細軸、厳しい角度公差のテーパー、側面溝などは、円筒研削だけでは対応が難しい場合があります。
当社では、円筒研削装置付きのプロファイル研削盤を使用し、高精度なテーパー、R、溝形状などに対応しています。角物・丸物のどちらも加工可能です。
マシニング加工や研削加工では精度が出にくい場合
マシニング加工や研削加工で大まかな形状をつくり、プロファイル研削で最終精度を仕上げることがあります。
特に、以下のような場合に有効です。
・輪郭形状にミクロン単位の精度が必要
・小さなRや細い溝を仕上げたい
・テーパー角度の公差が厳しい
・切削後に寸法を追い込みたい
なお、形状や要求精度によっては、他の加工方法をご提案する場合もあります。
高精度な追加工
支給品に対し、テーパーや溝など精度の厳しい部分だけを追加工することも可能です。
半導体・電子部品分野では、一次加工後の最終精度が出ない部品について、仕上げ加工のみをご相談いただくケースもあります。
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プロファイル研削加工で精度を出すためのポイント
砥石の当て方と成形
砥石の当てる角度や強さを誤ると、加工物の変形、欠け、折損につながります。特に細径部品や薄物部品では、切り込み量や当てる方向を細かく調整する必要があります。また、砥石の先端面で製品を成形するため、砥石の先端Rや先端形状を正確に成形することが重要です。
投影機やデジタルプロジェクターのチャートの見方
チャートに描かれた線には厚みがあります。そのため、線の内側、外側、中心のどこを基準にするかによって、完成寸法にずれが生じます。製品の公差を理解したうえで、投影された加工物の輪郭とチャートを正確に合わせる必要があります。
デジタルプロファイル研削盤を使うことで、こうした基準合わせの難しさを軽減できます。当社が導入するアマダ製のデジタルプロファイル研削盤 DPG-150 は、4Kモニターで最大400倍まで拡大表示が可能です。チャート図との誤差表示や加工後の自動補正機能により、指定公差内でのより高精度な加工を実現します。
>>アマダ製 デジタルプロファイル研削盤 DPG-150の詳細はこちら
加工音による判断
細い部品や、超硬、セラミックス、ガラスなどの硬い・もろい材質では、わずかな負荷で欠けや折れが発生します。加工状態は投影機だけでなく、研削音の変化からも判断します。音を聞きながら、砥石の当たり方や切り込み量を調整します。
ワークの固定と位置決め
高精度加工で最も重要なのが、ワークの固定と位置決めです。固定が弱いと加工中に位置がずれ、強過ぎるとワークが変形します。形状や材質に合わせて治具や固定方法を選定し、基準位置がずれない状態をつくる必要があります。
研削工程と検査工程を機上で行う
通常は研削工程を終了後にワークを取り外し検査工程に入りますが、取り残し等の発生による再セット後の加工が発生する場合があります。しかしながら、プロファイル研削加工ではチャート紙に描かれた加工形状に合わせて加工するため、測定不要な精密加工を実現することが可能です。
超精密加工を実現する当社のプロファイル研削加工
1. 高精度加工が可能
プロファイル研削加工では、投影機で拡大された加工物を確認しながら作業を進めるため、取り代の少ないワークであってもミスなく確実に仕上げることができます。一般的な切削加工による真円度の精度は±0.01〜0.02mm、直角角度の精度は±0.01mmですが、当社ではプロファイル研削加工をはじめとした各種加工技術により、±0.002mmを実現することが可能です。
2. 複雑形状品にスピード加工が可能
プロファイル研削加工では通常の円筒研削加工では難しい高精度なテーパー加工やR加工、その他様々な形状が加工可能です。さらに砥石成形時間が不要のため、スピード加工を実現することが可能です。
ワークの形状を拡大して投影機に映し出し、同倍率で加工線が描かれたチャート紙に倣って加工形状を仕上げていくため、テーパー加工、円弧加工、溝加工、段加工といった複雑な形状にも高精度に対応いたします。小ロットの案件では、加工線を描いたチャート紙があればすぐに加工へ移ることが可能です。
3. 加工難易度の高い材質にも対応
当社では加工材質が一般鋼材だけではなく、研削加工が難しいと言われている難削材に対応することが可能です。さらに磁石に付かない超硬やセラミックス等にも幅広く対応しています。
材質によって砥石の摩耗の進み方や加工中の挙動は大きく変わります。硬い材質では砥石の摩耗が早いため成形状態の維持と砥石の選定が、柔らかい材質では焼けや変形を避けるための負荷のかけ方が重要になります。当社では材質ごとの特性を踏まえた加工条件の設定により、幅広い材質に対応しております。
プロファイル研削加工の加工事例
円筒プロファイル加工部品

軸部φ0.28mm、長さ2mmという極細形状を、折れることなく加工した事例です。この径・長さになりますと、研削中のわずかな振れが即座に折損につながります。キンコーが持っているノウハウと技術を駆使して、加工を最適化することではじめて成立する加工となります。
>>円筒プロファイル加工部品の加工事例について詳しくはこちら
溝入り偏心ピン

0.25mmずつ偏心しており、R0.1の溝が3箇所入った形状です。円筒研削加工とプロファイル研削加工を用いて加工しております。当社のプロファイル研削盤には円筒装置を搭載しているために、このような高精度な丸物も高精度に加工することが可能です。
偏心ピン

先端をφ0.6mm、2段目をφ1.0mm、3段目を1.1×1.2の楕円で加工した偏心ピンです。円筒研削加工後に、円筒研削機能付きプロファイル研削加工にてφ0.6部とφ1.0部と1.1×1.2の楕円部を偏心0.05の高精度に加工を行いました。また、楕円部と2段部φ1.0の側面を段ができることなく、高精度に合わせていることも特徴の一つです。
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超精密加工・プロファイル研削加工のことなら当社にお任せください
高精度かつ少ロットの案件、細径やテーパー角度公差、溝など円筒研削加工では難しい丸物形状、他社様で対応が難しかった追加工など、プロファイル研削加工でお困りの案件がございましたら、ぜひ当社にご相談ください。