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2025年04月03日

キャピラリーとは?

半導体の製造過程で「キャピラリー」が使用されます。キャピラリーは微細な液体や気体の精密制御を行うことができ、半導体デバイスの性能と信頼性に影響します。

半導体分野で使用されるキャピラリーとは

半導体分野において、キャピラリーは主にワイヤーボンディング工程で使用されます。この工程は、ICチップと外部回路を電気的に接続するために、極細の金属ワイヤーを精密に配置する技術です。キャピラリーの特徴は下記の通りです。

材質・構造

キャピラリーは、高精度な加工を可能にするために、セラミック、ルビー、炭化タングステンなどの硬質材料で作られます。内径は数μmから数十μmと極めて小さく、先端形状もワイヤーの種類やボンディング条件に合わせて加工が施されます。

流体制御

ワイヤーボンディングでは、キャピラリーを通してワイヤーを供給するだけでなく、特定のガスを流してボンディング環境を制御することもあります。これにより、酸化防止や異物混入の低減が図られます。

精度

キャピラリーは、微細なワイヤーを正確に配置するために、nm単位の精度が求められます。そのため、位置制御、速度制御、力制御など、高度な制御技術が必要です。

また、キャピラリーはその精密制御技術により、半導体分野以外でも広く利用されます。医療・化学やインクジェット技術などその用途は多岐に渡ります。

ワイヤーボンディングの流れをご紹介

ワイヤーボンディングは、半導体デバイスの性能と信頼性を左右する重要な工程です。この工程で、キャピラリーは使用されます。まず、キャピラリーの穴に金線を通し、先端部(ボール状の金属)をICチップに接合させます。この接合には、熱圧着、超音波圧着、熱超音波圧着などがあります。その後、接合した金線をループ上に制御しながらICチップから引き伸ばします。このループ形状はキャピラリーの制御動作・加工精度によって形成されるため、バラツキの軽減や品質を維持するための高精度な加工技術が必要不可欠です。引き伸ばした後は、圧力・温度・超音波振動などを用いて、リードフレームと接続します。

キャピラリー製作におけるポイント

キャピラリーは、半導体技術だけでなく、医療、化学、インクジェット、光ファイバーなど、多岐にわたる産業分野で不可欠な精密ツールです。キャピラリーの加工には、高度な技術とノウハウが求められるため、下記のポイントを押さえる必要があります。

材質選定

使用するワイヤーやボンディング条件に合わせて、最適な材質を選定します。例えば、金ワイヤーにはセラミック、銅ワイヤーには炭化タングステンが適しています。

先端形状の最適化

ワイヤーの太さやボンディング方式に合わせて、先端のテーパー角や内径を精密に加工します。これにより、ワイヤーの変形を抑え、安定したボンディングを実現します。

表面処理

ワイヤーの滑らかな供給やボンディングの品質向上のために、内面や先端の表面を研磨やコーティングで滑らかに処理します。

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