精密加工技術コラム
2021年10月26日
ワイヤーカット放電加工における加工可能材質とは?
ワイヤーカット放電加工機は、黄銅やタングステンを材質としたワイヤー線に微小な電流を流して、放電を行うことで加工物を溶融させながら少しずつ切断する加工方法です。放電の原理を用いるため、加工する材質は導電性のある材質ならばどのような難削材でも加工が可能です。例えば、超硬のように非常に硬い材質の加工や薄板の切断は難しいものですが、加工物の材質、厚み、大きさ、強度に関係なく精度よく加工することが可能な点が大きなメリットです。
加工時に局所的に発生する6000~7000度もの高温によって加工するワイヤーカット放電加工は先述のように導電性がある材料であればどんな金属材料でも加工可能があるので、我々の身近にある鉄・ステンレス・アルミ・銅などはもちろんのこと、インコネル・ハステロイ といった耐熱合金や、 超硬・粉末ハイスといった高硬度材まで加工を行うことが可能です。ただしワイヤーカット放電加工にも加工が苦手な材質や加工不可の材質があります。
加工が苦手な材質としてはHRC65以上の高硬度材になると、ワイヤーカット放電加工中に靭性の問題で割れが発生する場合があります。一方で加工不可な材質としては非導電の材質であり、例えば樹脂、ガラス、セラミックは加工することができません。しかし、セラミックやプラスチックでも導電性がある物質を含んでいるものがあれば、ワイヤーカット放電加工で加工を行うことができます。
装置部品 精密加工.COMを運営する株式会社キンコーでは、ワイヤーカット放電加工機を13台保有しております。使用可能最小ワイヤ径はΦ0.03で最小インコーナーR 0.023、最良面粗さRa0.04μmの超微細加工が可能です。加えてテーパー加工、上下異形状加工も得意としております。高精度加工、複雑加工でお困りの案件がございましたら、放電加工のプロである当社にぜひお声掛けください。
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