技術提案事例
Q. けが防止目的の面取りにおいて、加工時間を短縮する方法はありますか。
A. けが防止が目的であれば、糸面程度の面取りに変更することで加工時間の短縮が可能です。
エンドユーザーが手に触れる可能性がある製品に関しては、触れた際にけがをしないように加工することも要求されます。
例えば、箱形の製品(図Before)の場合、角部が鋭利になっているため危険です。
そのため、角部をピン角やエッジではなく、すべての角部に対してC0.5以上の面取りを行う必要、つまりエッジから0.5mmまで45°の傾斜にする必要があります。
面取りは四隅すべてに加工をするため、工数がかかってしまい、リードタイム増加につながってしまいます。
面取りを行う意図はけがを防止するためですので、C0.5などの大きな面取りを行う必要はなく、面取りを糸面程度(C0.2~0.3)に変更することで、加工工数を抑えることが出来ます。
図面指示には本来必要な加工以上の加工が要求されている場合がありますが、加工の意図と照らし合わせて、必要以上の加工はなくしていくことで、工数削減・リードタイム短縮につながります。
今回のように、けがの防止が目的であれば、角部の面取りの種類を変更することで、加工工数を削減することが出来る場合があります。