切削・研削・放電加工技術で、ミクロン台の超精密加工品を1ケから

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2024年05月03日

円筒研削加工とは?

円筒研削加工とは?

円筒研削加工は、円筒状の品物を回転させながら、砥石の外周で研削する加工方法です。被削材を研削砥石と同じ方向に回転させることで、旋盤と同様の回転運動を与え、円筒形状の外周または内周の表面を精密に仕上げることが可能です。円筒研削の具体的な加工方法は、被切削材を主軸台と心押台で挟み込んで固定します。主軸台は被切削材を回転させる役割を担い、心押台は被切削材の端面をサポートします。加工物は被削材と同じ方向に回転し、被削材の表面を削っていきます。この加工方法により、高い寸法精度と表面仕上げが可能となります。円筒研削加工はセンタレス研削と混同されやすい加工方法です。どちらも高速回転する砥石を用いる加工ですが、円筒研削は主軸台と心押し台を用い、素材の両端をセンタ支持しますが、センタレス研削はセンタ支持は行わず、固定されたブレード・研削砥石・調整砥石で素材を支持します。

研削盤に欠かせない砥石について

砥石は、硬い研粒と呼ばれる微細な砥粒を、結合材によって結合した多孔質の研削工具です。高速で回転する砥石の無数の刃先が、工作物の表面を微細に削り取ることで、滑らかで高精度な面を作り出します。その用途は多岐にわたり、金属部品の精密仕上げ、金型の製作、セラミックスやガラスなどの難削材の加工などです。砥石の選択は、加工物の材質、求められる精度、加工方法などによって大きく左右されます。例えば、鋼材の荒加工には比較的粗い粒度の砥石が、精密な仕上げ加工には非常に細かい粒度の砥石が用いられます。また、結合材の種類によっても砥石の硬さや靭性が変わり、加工効率や寿命に影響を与えます。

砥石に起こる加工不良の原因となる現象

どんなに優れた砥石でも、使用状況や管理が適切でないと、期待される加工精度を得られないばかりか、不良品の発生につながる可能性があります。

目詰まり

研削加工中に、削りカスや加工油などが砥石の気孔に詰まってしまう現象です。目詰まりが発生すると、砥石の切れ味が低下し、摩擦熱が増加します。その結果、加工物の焼け付き、寸法精度の悪化、表面粗さの不良などを引き起こす可能性があります。特に、軟らかい材質や粘り気の強い材質を加工する際に起こりやすい現象です。

ドレッシング不良

砥石の表面は、使用していくうちに摩耗したり、目詰まりを起こしたりします。そのため、定期的に「ドレッシング」と呼ばれる再成形作業が必要です。ドレッシングが不適切だと、砥石の切れ味が回復せず、真円度が悪化したり、砥石の表面が凸凹になったりします。これにより、加工面の精度不良やビビリ振動の原因となることがあります。

クラックとチッピング

砥石に過度な負荷がかかったり、不適切な冷却が行われたりすると、砥石に亀裂(クラック)が入ったり、欠け(チッピング)が発生したりすることがあります。これらの損傷は、加工面の不良だけでなく、最悪の場合、砥石の破片が飛散する危険性も伴います。砥石の選定ミスや、研削条件の設定ミスが主な原因となります。

砥石の摩耗

砥石は、加工物を削るごとに少しずつ摩耗していきます。これは避けられない現象ですが、過度な摩耗は、寸法精度の悪化や加工時間の増加につながります。砥石の材質や粒度、結合材の種類、そして研削条件などが摩耗の進行度合いに影響を与えます。

円筒研削のメリットとは?

円筒研削の最大のメリットは高精度な加工が可能な点です。円筒研削加工は素材を安定させた状態で少しずつ研削していくため高い加工精度を実現できます。 ただし、被削材の取り外しや固定に時間がかかるため、センタレス研削と比べ生産性が劣る点が挙げられます。また、加工の形状によっては、専用の治具が必要となる場合もあります。

その他にも、円筒研削加工は素材の両端を支持した状態で外周を研削するため、外周に溝があっても問題なく加工出来る点や通常の工具では欠けてしまうような高硬度材にも砥石を変えることで加工をすることが可能です。CBN砥石やダイヤモンド砥石などを用いれば、焼き入れ済みの鋼鉄など硬い素材でも加工できます。

円筒研削加工の事例を一部ご紹介!

①先端径φ0.1 微細ピン

半導体業界向け 微細ピン

こちらの超硬ピンは2段形状になっており、先端形状はφ0.1で2段目はφ0.3の微細形状となっています。このような高精度が必要となる加工には当社はプロファイル研削加工で対応しております。当社のプロファイル研削盤には円筒研削装置を載せておりますのでミクロン精度の加工でも対応が可能です。また使われる材質や形状にもよりますが、±2μm台の加工も可能であり、製品によってはほぼゼロ狙いも可能です。

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②先端±5μm 超硬パンチ

超硬パンチ

こちらの超硬パンチは先端精度5μmを確保し、ラップ処理まで施しております。なぜなら厳しい許容差を要求される製品を加工する金型は高精度でなければなりません。そのため製品寸法許容差に対応したパンチを作成するにはプロファイル研削盤を用いた倣い加工が必要となります。ワークの形状を拡大して投影機に映し出し仕上げるため、複雑な形状であるテーパ加工、円弧加工、溝加工、段加工を高精度に加工することが可能です。

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③先端±5μm 超硬パンチ

電子・光学業界向け 超硬微細3段ピン

こちらの微細ピンは3段形状になっており先端部分はφ0.0498で長さが3㎜、2段目はφ0.098で長さが5㎜、残りがφ0.298で長さが13.5㎜と全長は21.5㎜の微細形状となっています。電子・光学業界に使用される微細ピンであることに加え、微細となると一般的なピンよりもバリの影響を受けやすいので耐摩耗性と耐座屈性を満たす超硬を使用しました。

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円筒研削加工のことなら、当社にお任せください!

円筒研削加工は、旋盤加工で面粗度や精度が出ない高硬度材や超硬材のような材質に対して円筒研削加工は使われます。装置部品 精密加工.COMでは、通常の円筒研削加工にて対応することが難しい段付き加工やテーパー加工において、プロファイル研削盤に円筒装置を搭載することで、±2μmの超高精度な加工を行うことが可能です。なお当社では手のひらサイズ以下は上記の加工方法で加工をしておりますが、それ以上のサイズは通常の円筒研削盤で対応しております。超精密な円筒研削加工でお困りの案件がございましたら、装置部品 精密加工.COMを運営する株式会社キンコーにご相談ください。

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