切削・研削・放電加工技術で、ミクロン台の超精密加工品を1ケから

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株式会社キンコー
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2025年01月16日

ダイシング工程に使用される製品の紹介

ダイシング工程とは

スマートフォン、パソコン、自動車など、あらゆる電子機器に欠かせない半導体の製造過程において、重要な役割を担うのが「ダイシング工程」です。ダイシング工程とは、ウエハと呼ばれる薄い板状の材料を、個々のチップに切り分ける工程のことです。一枚のウエハには、たくさんのICチップなどが作られており、ダイシング工程によってそれらを一つずつ切り離し、製品として使えるようにします。

 

ダイシング工程の流れ

ダイシング工程は以下のステップで行われます。

①ウエハの固定

まず、加工するウエハをダイシング装置にしっかりと固定します。この固定精度が、その後の切断精度に大きく影響します。ウエハは非常に薄く壊れやすいため、ウエハにダメージを与えない方法で固定されます。

②切断

ウエハの固定が完了後、切断工程に入ります。

ブレードダイシングの場合

速回転するダイヤモンドブレードを用いて、ウエハに溝を入れていきます。ブレードの厚さは数十マイクロメートルと非常に薄く、精密な切断が可能です。切断中は、冷却水や潤滑剤を供給することで、摩擦熱によるウエハの損傷やブレードの摩耗を抑えます。

レーザーダイシングの場合

集光されたレーザービームをウエハに照射し、材料を蒸発または昇華させることで切断します。レーザーダイシングはブレードダイシングに比べて、ウエハへのダメージが少なく、微細な加工が可能な点がメリットです。

 

切断時には熱や切削くずが発生します。そのため、塗布ノズルを用いて冷却液や洗浄液の塗布が必要です。

またダイシングにおける切断後の後工程として、突き上げピンでウエハを押し上げ、ウエハを吸着し、基板やフレームに固定をする作業があります。この吸着の作業に吸着ノズル・吸着コレットが使用されます。

③洗浄

切断後、ウエハの表面には、切削くずや加工液が付着しています。これらの異物は、チップの性能や信頼性に悪影響を与える可能性があるため、洗浄工程で丁寧に除去します。洗浄には、純水や特殊な洗浄液が用いられ、超音波洗浄などを行う場合もあります。

④検査

洗浄が完了したら、切り分けられたチップに欠けや割れ、異物の付着がないか、顕微鏡や画像処理装置などを用いて検査します。この検査工程により、品質基準を満たさないチップを排除し、高い信頼性を確保します。

このように、ダイシング工程は複数のステップを経て行われ、各工程で高度な技術と精密な制御が求められます。

 

ダイシング工程で使用される吸着ノズル・吸着コレット

吸着ノズル・吸着コレットとは、ICチップなどを吸着しピックアップしてリードフレーム上に搬送・ボンディングを行う、あるいは電子部品の場合はプリント基板上に実装をするために使用する部品になります。ダイシング工程では、切り分けられたチップを吸着ノズル・吸着コレットで吸い上げ、搬送します。

吸着の際に重要なことは、移動中に部品が落下しないようにしっかりとした吸着力の確保です。また、実際にノズルで吸着する部品の形状に合わせて、ノズルの先端形状や寸法を調整する必要があります。日々、技術革新により、吸着する部品が小型化していますので、それに伴って吸着ノズルの製作技術も高めていかなければなりません。

>>>ダイコレット及び加工事例はこちら

 

当社の吸着ノズル・吸着コレット製作事例を一部ご紹介

こちらは高精度吸着コレットの事例です。本事例のポイントは微細な電子チップ部品を確実に吸着するために先端孔径を±0.005mmの高精度に加工している点です。これを実現するために当社ではプロファイル研削加工で加工をしています。当社のプロファイル研削加工の強みは、使われる材質や形状にもよりますが、ゼロ狙いでの加工が出来ることです。さらに円筒装置も搭載しているために、段取り替えすることがなく、位置精度がブレることはありません。

>>>本事例の詳細はこちら

当社では、長年培った精密加工技術により角錐2面型・角錐4面型・フラット型・先端円錐型・垂直2面型・垂直4面型・その他特殊形状型など様々なサイズ・形状にて製作対応いたします。

>>>当社の精密加工事例はこちら

 

ダイシング工程で使用される塗布ノズル

ダイシング工程では、切断時に発生する熱を冷却したり、切削くずを洗い流したりするために、冷却液や洗浄液を塗布します。この際に使用されるのが塗布ノズルです。塗布ノズルは、液体を均一に塗布し、かつ切断を妨げないような形状であることが求められます。

 

当社の塗布ノズル製作事例を一部ご紹介

こちらのノズルは、内部の穴径が先端に行くにしたがってテーパー形状になっている超精密塗布ノズルです。このノズルは先端部にφ0.046mmの穴径を加工するために細穴放電加工で加工しております。一方、ボディ部のストレート形状から先端部手前までのテーパー形状を形彫り放電加工しています。ノズルの製作において重要なのは、安定的な供給量であり、塗布ノズル製作において、入り口側と出口側の中心度にずれが発生すると、流動性に問題が発生します。当社では、長年培ってきた高い放電加工技術・ノウハウに加え最新の機械設備と取り揃えているため、中心度がほぼゼロに近い加工を実現することが可能です。

>>>本事例の詳細はこちら

当社では、塗布ノズルに対する知識及びノウハウがあり、使用用途に合わせて材質からご提案をすることが可能ですので、お困りの案件がありましたら、お問い合わせください。

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ダイシング工程で使用されるシェアツール

シェアツールは、接着した製品が横からの力、つまりせん断力にどの程度耐えられるかを試験するための装置です。このツールは、接着強度を評価する上で非常に重要な役割を果たしています。

この装置の主な機能は、接着剤で接合された二つの部材間のせん断強度を測定することです。シェアツールは樹脂板、木材、金属など、さまざまな材料の接着強度試験に使用されており、製品の品質評価や品質管理においても欠かせない存在です。

>>>シェアツールとは?

 

各種ノズルなど装置部品・精密加工は当社にお任せください

当社では、様々なノズルに対する知識及びノウハウがあり、その他特殊形状型など様々なサイズ・形状にて製作対応いたします。使用用途に合わせて材質からご提案をすることが可能ですので、お困りの案件がありましたら、お問い合わせください。

>>>当社の精密加工事例一覧はこちら

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